AI技術を活用した画像生成ツール「Stable Diffusion」は、自分のWindows 11 PCにインストールすることで無料で使用することができます。他のAIツールと比べて、高品質な画像を短時間で生成できる点や、ユーザーコミュニティによる豊富な拡張機能が利用できる点で際立っています。本記事では、Stable Diffusionのインストール方法や操作画面(UI)、さらに作成した画像から動画生成する機能についても詳しく解説します。
Stable Diffusionとは
- Stable Diffusionの「本当のすがた」
Stable Diffusionというのは、“AI(人工知能)が文字から画像を作り出すための「頭脳」”だと思ってください。この「頭脳」が、私たちのお願い(例えば「青い空と海のある風景を作って!」)に応えて、コンピューターの中で新しい画像を作り出します。 - 「頭脳」を使いやすくするための「リモコン」
Stable Diffusionを使うときには、「頭脳」に指示を出すための「リモコン」や「操作画面」が必要になります。この操作画面が、パソコンのソフトやWebサイトにある「ボタン」や「入力欄」です。例えば、好きな言葉を入力したり、画像の大きさを変えたり、AIにどんな画像を作ってほしいか伝える操作ができます。 - 「頭脳」と「リモコン」は別物
つまり、Stable Diffusionの本体(頭脳)は、画像を作るためのAIモデルというもので、これは画面には見えない場所で動いています。一方で、私たちが操作するソフトやWebサイトは「リモコン」にすぎません。見た目は大事ですが、実際に考えて画像を作っているのは「頭脳(AIモデル)」です。 - まとめ
本体(頭脳) = 画像を作るAIモデル
リモコン = AIモデルに指示を出す操作画面やソフト
このように、画面や操作ソフトが本体ではなく、実はその奥で動いているAIモデルが本当の本体なのです。
本体であるAIモデルは、複数存在し目的に応じたモデルを切り替えて画像を作っていくことになります。
Stable Diffusionのインストール方法
Stable DiffusionをPCにインストールするには、いくつかの手順があります。
方法1:PythonやGitを使ってインストールする
Stable DiffusionのインストールにはPythonとGitが必要です。これらの環境を設定し、その上でUIを導入することで画像生成が可能になります。
この方法は、Windowsのコマンドプロンプト(ターミナル)から、何度もコマンドを入力したり、インストール時のエラーなども確認したりして試行錯誤してインストールすることとなります。
方法2:「Stability Matrix」で簡単インストール
手軽に始めたい方には「Stability Matrix」を使ったインストールがおすすめです。この方法では、複雑な手順を省いて数クリックでStable Diffusionを導入できます。
複数のUIから選べる操作性
Stable Diffusionでは、複数の操作画面(UI)が提供されています。UIの選択によって使い勝手が大きく変わるため、自分に合ったものを選ぶことが重要です。代表的なUIとして「AUTOMATIC1111」「Forge」「ComfyUI」および「Stability MatrixのInference」が挙げられます。
代表的なUIの評価
UI名 | 操作の簡単さ | 処理速度 | 設定の細かさ | 拡張性の高さ |
---|---|---|---|---|
AUTOMATIC1111 | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
Forge | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
ComfyUI | ★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
Stability Matrix Inference | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★ | ★★ |
- AUTOMATIC1111は操作性と細かな設定の自由度が高く、多くのユーザーに支持されていますが、処理速度と拡張性では他のUIに劣る面もあります。
- Forgeはシンプルで操作が簡単であり、直感的なインターフェースが魅力です。処理速度と使いやすさのバランスが取れています。
- ComfyUIは処理速度と拡張性において非常に優れており、カスタマイズの自由度も高いため、上級ユーザーにも適しています。ただし、操作の簡単さは他のUIに比べてやや難しい面もあります。
- Stability MatrixのInferenceは、操作のシンプルさと速度が魅力で、初心者にとって扱いやすい点が大きな利点です。ただし、細かな設定や拡張性に関しては制限があります。
画像から動画への拡張
Stable Video Diffusionを使うことで、作成した画像から動画を生成することもできます。これにより、静止画から動きのあるコンテンツを作り出すことができるため、創造の幅が広がります。例えば、静止画のキャラクターに動きを加えて短いアニメーションを作成したり、複数の画像をつなぎ合わせてシームレスな動画を生成することが可能です。動画生成をする際には、各UIの拡張機能や別のプラグインを利用することで簡単に行えます。
Stable Video Diffusionは、Gitから単体でインストールすることも可能ですが、ForgeやComfyUIで利用することができます。基本的にStable Video Diffusionによる動画生成を行うには、高性能なPCが必要となり、動画生成に時間がかかりますが、ComfyUIでは比較的短時間で動画生成できるように調整がされているため、実際に動画を作る際には、ComfyUIから作成することをお勧めします。
まとめ
Stable Diffusionは、自分のPCにインストールして無料で利用できる優れたAI画像生成ツールです。さまざまなUIが提供されているため、自分の用途に合ったものを選ぶことで、より快適に使用することができます。また、画像生成だけでなく、動画への拡張も可能なので、クリエイティブな作品を作りたい方にはぜひ挑戦してみてほしいツールです。
まずは「ComfyUI」や「Forge」から始めてみて、どのUIが自分に合うかを試してみてください。また、最初のプロジェクトとして、自分の好きなキャラクターを動かす短いアニメーションを作成するのも良いでしょう。
私は「ComfyUI」を使って画像生成と動画生成を行っていますが、まずはStability Matrixの「Inference」を使って画像を生成する方法が一番簡単で生成速度も速いのでお勧めです。
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