この記事は、AI初心者向けに動画生成AI「Sora」の始め方や基本的な使い方をわかりやすく解説します。アカウントの登録手順から、静止画やテキストを使って動画を作る方法まで、ステップごとに詳しく紹介します。
「Sora」とは
「Sora(ソラ)」は、OpenAIという企業が開発した動画を作るためのAIツールです。OpenAIは、文章を作るAI「ChatGPT」で有名な会社です。
Soraは2024年2月に発表され、2024年12月9日から一般公開されました。ChatGPTの有料プランに加入している方なら誰でも利用できます。
Soraを使えば、以下のようなことができます。
- 静止画(写真)やテキスト(プロンプト)を元に、数秒の動画を自動で作成
- テキスト(プロンプト)を使って動画の動きや内容を細かく指示して編集可能
例えば、ペットの写真から「猫がこちらに向かって走ってくる」ような動画を作ることができます。難しい操作は必要ないので、AI初心者の方にもぴったりのツールです。
利用方法
Soraを使うには、ChatGPTの有料プラン「Plus」または「Pro」のアカウントが必要です。すでに有料プランをお持ちの方は、そのまま利用することができます。有料プランに未加入の場合でも、Soraの公式サイトから手続きすればすぐにアカウントを作成できます。
具体的な登録手順は、次で説明します。
Soraアカウントの登録方法
ChatGPTアカウントをお持ちの方
- Soraの公式サイトにアクセスします。 Just a moment...
- 画面右上の「Log in」ボタンをクリックします。
- 「おかえりなさい」の画面からChatGPTアカウントでログインします。
- 「Your plan」プラン選択のページにて、ChatGPTの有料プランである「ChatGPT Plus[月額:$20(約3,000円)]」「ChatGPT Pro[月額:$200(約30,000円)]」を選択します。この操作画面では、「ChatGPT Plus」を契約しているアカウントのため、左側の「ChatGPT Plus」の「Continue」をクリックします。
※有料プランを契約していない方は、「Get Plus」や「Get Pro」より有料プラン契約を行ってください。 - 「Choose your username」画面にて、ユーザー名を3文字以上で入力し「Next」をクリックします。
- トップ画面が表示されますと、登録は完了です。
ChatGPTアカウントを持っていない方
- https://sora.com/ にアクセスします。
- 画面右上の「Log in」ボタンをクリックし、「サインアップ」を選択します。
- 「おかえりなさい」の画面より、「サインアップ」をクリックします。
- 「アカウント作成」よりアカウントを作成します。
- アカウントを作成しましたら、<ChatGPTアカウントをお持ちの方>の操作を行ってください。
「Plus」アカウントと「Pro」アカウントの違い
PlusアカウントとProアカウントによって、できることが異なります。
ChatGPT Plus | ChatGPT Pro | |
月額料金 | 20ドル(約3,000円) | 200ドル(約30,000円) |
月間の動画作成のクレジット | 1,000 | 10,000 |
リラックスモードでの動画作成(※1) | なし | 無制限で利用可能 |
動画の解像度 | 480p、720p | 480p、720p、1080p |
動画の長さ(秒数) | 5、10 | 5、10、15、20 |
一度に別パターンとして作成できる動画数 | 1、2 | 1、2、4 |
作成動画の右下に表示されるロゴマーク(ウォーターマーク) | 表示される | 表示/非表示を選べる |
(※1)リラックスモードとは、動画作成のクレジットポイントを消費せずに動画を作成するモードです。
ただし、リラックスモードで動画の作成には通常より時間がかかりますので、時間があるときに利用するか、クレジットポイントがなくなった時に利用しましょう。
動画作成の消費クレジット
動画の長さ、動画の解像度の組み合わせで、1つの動画で消費されるクレジットポイントの一覧です。
動画の生成
5秒 | 10秒 | 15秒 | 20秒 | |
420p 正方形 | 20 | 40 | 60 | 80 |
420p 横長・縦長 | 25 | 50 | 100 | 150 |
720p 正方形 | 30 | 75 | 150 | 225 |
720p 横長・縦長 | 60 | 180 | 360 | 540 |
1080p 正方形 | 100 | 300 | 650 | 1000 |
1080p 横長・縦長 | 200 | 600 | 1300 | 2000 |
同時に複数パターンを作成する場合は、作成したパターン数に応じてクレジットポイントが消費されます。
クレジットの翌月繰り越し
クレジットポイントは翌月に繰り越すことができないので、使い切るようにしましょう。
クレジットの追加購入
「Plus」、「Pro」ともに、クレジットの追加購入はできません。
たくさんの動画を作成する場合は「Pro」アカウントにアップグレードしましょう。
「Pro」アカウントでクレジットがなくなってしまっても、リラックスモードで無制限に動画を作成することができますが、リラックスモードでは動画の作成に時間がかかってしまいます。
静止画像から動画を生成する
静止画像を基にした動画の作成は、画面下の操作エリアより動画の設定を行います。

動画作成手順(画像から動画作成)
- 「+」ボタンをクリックし、元になる画像を選びます。
- オプションを調整します。
Preset(プリセット) ビジュアルスタイルやエフェクトを指定することができます。 Aspect ratio(アスペクト比) 動画の画面比率を、16:9(横長)、1:1(正方形)、9:16(縦長)から選択できます。 Resolution(画質) 480p、720p、1080pから選択できます。(1080pは「Pro」アカウントのみ) Duration(動画の長さ) 5秒、10秒、15秒、20秒から選択できます。(15秒、20秒は「Pro」アカウントのみ) Variations(1回で作成する動画の数) 何パターンの動画を生成するかを選びます。1個、2個、4個から選択できます。(4個は「Pro」アカウントのみ) - 「↑」ボタンをクリックすると動画が生成されます。
実際に画像から動画を作成
例として、猫の画像を用意し、動画を作成してみます。
【元の静止画像】
- 操作エリアの「+」をクリックし、猫の静止画像を選択します。
- Preset(プリセット)は、「None」とします。
- Aspect ratio(アスペクト比)は、今回の画像が正方形なので、「1:1」とします。
- Resolution(画質)は、「480p」の低画質を選択します。
- Duration(動画の長さ)は、「5 seconds(5秒)」とします。
- Variations(1回で作成する動画の数)は、「1」を選び、1本の動画を作成します。(別バージョンは作成しない)
- 上記を設定し、「↑」をクリックし、動画を作成します。
元の静止画より、子猫の動画が作成されました。今回はテキスト(プロンプト)で指定せず、画像のみでAIに動きなどをお任せした動画の作成となります。
今回作成した動画は下記表のように設定しました。
Aspect ratio(アスペクト比) | 1:1(正方形) |
Resolution(画質) | 480p |
Duration(動画の長さ) | 5秒 |
Variations(1回で作成する動画の数) | 1本 |
この設定で作成した場合の消費クレジットは、20ポイントとなります。
人物写真を使った動画作成
現在、動画の元となる静止画に人物が含まれている場合は動画を作成できなくなっています。
誤って人物が含まれている画像をアップロードし、動画を撮影しようとしても動画は作成されず、クレジットも消費されませんので安心してください。
一部の選ばれたユーザーは、人物を含む画像から動画を作成するテストを行うことができるようですが、一般向けに人物の画像から動画を作成するには、著作権・肖像権などがある有名人・著名人・著作物などが含まれるものなどからの動画を作成できないようにするために、進められているようです。対策ができ次第、一般向けに人物を含む画像から動画を作成できることになると思われます。
プロンプトから動画を生成する
テキスト(プロンプト)に動画の内容の指示を書き、動画を作成する手順です。
動画作成手順(プロンプトから動画作成)
実際にプロンプトから動画を作成
スカイダイビングの着陸シーンを動画にしてみます。
- 「Describe your video…」の欄にプロンプト「スカイダイビングをして、海上に着陸する日本人女性」を入力します。
- 「Preset(プリセット)」を「None」とします。
- 「Aspect ratio(アスペクト比)」を「16:9(横長)」とします。
- 「Resolution(画質)」を「480p」とします。
- 「Duration(動画の長さ)」を「5秒」とします。
- 「Variations(1回で作成する動画の数)」を「1」とします。
- 上記を設定し、「↑」をクリックし、動画を作成します。
【作成された動画】
Aspect ratio(アスペクト比) | 16:9(横長) |
Resolution(画質) | 480p |
Duration(動画の長さ) | 5秒 |
Variations(1回で作成する動画の数) | 1本 |
この設定で作成した場合の消費クレジットは、25ポイントとなります。
パラシュートで海へ着陸に向かっている様子の動画が作成されましたが、着陸のシーンがうまく動画になりませんでした。
もう一度同条件で動画を生成すると、別パターンの動画を生成するので、何度か試すとイメージに近い動画が出力されることもあります。
よりよい改善方法としては、動画が5秒と短いのでもう少し長くすることや、プロンプトをもう少し工夫する必要がありますね。さらには、次章の「ストーリーボード」機能を使って、各ポイントにプロンプトを入力して精度を上げてみましょう。
「ストーリーボード」機能を使って動画を生成する
Soraの「Storyboard(ストーリーボード)」機能は、動画をより細かくカスタマイズできる便利なツールです。この機能では、タイムライン上に「ポイント」を追加します。このポイントごとに「どんなシーンにしたいか」や「雰囲気」を説明するプロンプトを設定することで、AIが各場面をより正確に理解して動画を作成します。
例えば、動画の最初に「青空の下、鳥が飛ぶシーン」を指定し、次のポイントで「夕暮れの公園で犬が遊ぶシーン」を追加すると、それぞれの場面がしっかり表現された動画が完成します。
タイムラインを活用することで、シーンの切り替えや内容を自由に調整できるので、思い描いた動画を作りやすくなります。
Storyboard(ストーリーボード)を使った動画作成の操作手順
- 「Describe your video…」に動画の内容を入力します。
- オプションを設定します。
- 「Storyboard」ボタンをクリックし、タイムラインにシーンごとの内容を設定します。
- Storyboardの画面に切り替わるので、下のタイムラインにポイントを追加し、上に「2」のプロンプト入力画面が表示されるので、プロンプトを入力します。(複数のポイントを追加することができます。)
- すべて入力したら「Create」をクリックして動画を生成します。
実際にStoryboard(ストーリーボード)を使って動画を作成
- 「Describe your video…」にプロンプト「スカイダイビングをして、海上に着陸する日本人女性」を入力。
- 「Preset(プリセット)」を「None」とします。
- 「Aspect ratio(アスペクト比)」を「16:9(横長)」とします。
- 「Resolution(画質)」を「480p」とします。
- 「Duration(動画の長さ)」を「5秒」とします。
- 「Variations(1回で作成する動画の数)」を「1」とします。
- 「Storyboard」ボタンをクリックしStoryboard画面を表示します。
- Storyboard画面には、[1]で入力したプロンプトからより詳しく指定されたプロンプトへ修正されたものが表示されます。
今回は、ポイント①をそのまま残し、ポイント②を修正し、ポイント③を追加します。 - ポイント②の内容を「彼女が海に着陸し、大きなしぶきを上げる。」と修正し、タイムラインの位置を「02.00」へ移動します。
- タイムライン上の【4秒】の場所をクリックし、ポイント③を追加し、プロンプトには「彼女は海面から顔を出す」とします。
- 追加修正が完了しましたので、「↑Create」ボタンをクリックし動画を生成します。
【作成された動画】
Storyboard(ストーリーボード)を使うと、タイムライン上の複数のポイントにプロンプトで動画の様子を指示することができ、自分のイメージに近い動画が生成されます。
操作画面の日本語化
Soraの操作画面は英語表示ですが、ブラウザの標準機能の翻訳や、拡張機能の翻訳機能を追加することで、簡単に日本語で表示できます。これでスムーズに操作できるようになります。
まとめ
Soraは、AI初心者の方でも簡単に動画を作ることができるツールです。ChatGPTの有料アカウントがあればすぐに始められ、静止画やテキストを元にイメージ通りの動画を作成できます。
Plusアカウントでは生成された動画の右下にウォーターマーク(Soraのロゴマーク)が表示されることや、作成できる上限を考えますと、Proアカウントで作成する方がよいですね。
ぜひSoraを使って、さまざまな動画を作成して楽しんでください。
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